▼サッカーJリーグの浦和レッズサポーターが「JAPANESE ONLY」の横断幕を掲げ、チームに無観客試合という
厳しい制裁が下された問題。日本人の人種差別に対する意識が問われている

▼現代の日本は世界でも最も人種差別への関心が小さい国の一つではないか。「差別がない国」ではなく、「差別を意識する
機会が少ない国」。要因となる民族、宗教の問題に、敏感に反応する環境が醸成されていないように思える

▼しかし在日外国人や部落問題など、差別につながる可能性は存在する。朝鮮学校の授業料無償化や、外国人参政権の是非なども、
差別に関わる問題といえるだろう

▼海外は日本では考えられないくらいデリケート。近年はテレビの「メリークリスマス」のテロップも、宗教に配慮し
「ハッピーホリデー」に代わってきた。キリスト教徒ではない日本人がクリスマスをビッグイベント扱いするのを、どう見ているのか心配になる

▼今回のサポーターがどの程度の覚悟を持って横断幕を出したのかは分からないが、その反響には驚いたはず。
無自覚ゆえの思慮なき行為が払った代償の大きさは計り知れない

▼横断幕が特定の国を示していなかったのは救い。Jリーグの制裁には賛否両論あるが、海外を大きく刺激せず、
対処できたのは良かった。この問題を差別について真剣に考え、話し合うきっかけにしたい。

ソース:http://www.chibanippo.co.jp/boujin/186511/


死神の浮力
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